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急性A型大動脈解離に対する人工血管置換術における置換範囲の選択とその根拠

No.4924 (2018年09月08日発行) P.57

高梨秀一郎 (榊原記念病院心臓血管外科主任部長/ 副院長)

金 一 (岩手医科大学心臓血管外科学講座教授)

登録日: 2018-09-06

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  • 急性A型大動脈解離に対する人工血管置換術の置換範囲をどのように選択すべきでしょうか。
    最新の手術成績や遠隔期成績を踏まえて,岩手医科大学・金 一先生のお考えをご教示下さい。

    【質問者】

    高梨秀一郎 榊原記念病院心臓血管外科主任部長/ 副院長


    【回答】

    【手術侵襲を最小限にとどめるため,エントリーの位置によって十分に考慮,選択する】

    急性A型大動脈解離に対する手術の主な目的は,エントリーを閉鎖することによる破裂の危険を除去することと言えます。理由として,発症後,24~48時以内にA型解離の未治療による心囊内破裂が50%と,これによる死亡率が高いことがその根拠になっていることは周知の事実であろうかと思います。

    ご質問にある,人工血管置換範囲においては,エントリーが上行大動脈に存在すれば,上行あるいは部分弓部大動脈人工血管置換術が第一選択となり,一方,エントリーが大動脈基部あるいは弓部に存在する場合には,基部置換(あるいは基部再建)や弓部置換術が選択,考慮されるかと思います。

    近年,解離に対するthoracic endovascular aortic repair(TEVAR)治療も積極的に行われておりますが,今回は字数制限から本術式に関しては割愛させて頂きます。

    残り1,135文字あります

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