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膵神経内分泌腫瘍の肝転移に対する外科治療

No.4924 (2018年09月08日発行) P.57

新田浩幸 (岩手医科大学外科学講座特任准教授)

青木 琢 (獨協医科大学第二外科学内教授)

登録日: 2018-09-08

最終更新日: 2018-09-04

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  • 2017年に膵神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm:NEN)に関するWHO分類の改訂が発表され,神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)G3と神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)を区別するなど,病態が整理されて治療方針も考えやすくなったと思います。しかし,外科として迷うのは肝転移に対する肝切除のタイミングです。たとえば,NET G3の切除可能な異時性肝転移(3個)に対する治療選択(すぐに切除,薬物療法先行,薬物療法のみ)に迷うことがあります。
    NETの肝転移に対する肝切除適応に関して,獨協医科大学・青木 琢先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    新田浩幸 岩手医科大学外科学講座特任准教授


    【回答】

    【PanNETでは切除が第一選択。具体的な処置に関しては,エビデンスの蓄積が求められる】

    2017年,NENのWHO分類が改訂されました。WHO2010年分類ではKi-67指数のみによる分類が行われましたが,今回「腫瘍の分化度」が再登場し,まず高分化型NEN(PanNET)と低分化型NEN(PanNEC)に分類した上で,Pan N ETはKi-67指数により,NET G1,G2,G3に分類されました。このうち,PanNECは発見時既に遠隔転移陽性であることが多い上,その経過はきわめてrashであるため,切除の意義は乏しく,化学療法が治療の第一選択であると考えられています。

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