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高カリウム血症対策としてのカリウム吸着薬の意義は?

No.5207 (2024年02月10日発行) P.48

杉本俊郎 (滋賀医科大学総合内科学講座教授)

今井直彦 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院腎臓・高血圧内科准教授)

登録日: 2024-02-07

最終更新日: 2024-02-06

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  • 最近,新しいカリウム吸着薬が,わが国においても実地臨床で使えるようになってきています。さらに,うっ血性心不全や慢性腎臓病(CKD)において,レニン-アンジオテンシン(RAS)系阻害薬の使用をできる限り継続することが予後改善のために重要であると言われています。
    高カリウム血症対策としてのカリウム吸着薬の意義について,聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・今井直彦先生に解説をお願いします。

    【質問者】杉本俊郎 滋賀医科大学総合内科学講座教授


    【回答】

    【カリウム吸着薬を適切に使用することで患者の予後を改善させることが重要】

    本稿では経口カリウム吸着薬の歴史を簡単に振り返りながら,実地臨床における経口カリウム吸着への期待を述べたいと思います。

    従来,高カリウム血症の治療薬としてポリスチレンスルホン酸カルシウムやポリスチレンスルホン酸ナトリウムが使われてきました。しかし,実地臨床において便秘などの副作用,飲みづらさなどがあり患者から不評であること,そしてカリウム低下作用がそれほど強くないことなどから,高カリウム血症対策は万全であるとは言えない状況でした。そのような中,登場したのが新規のカリウム吸着薬であるジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム(ロケルマ®)です。この新薬は,薬価は高いものの従来のカリウム吸着薬と比較すると飲みやすく,実地臨床における感覚としては従来のカリウム吸着薬と比較してカリウム降下作用が強いことが特徴として挙げられます。

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