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首が回らないほどに[プラタナス]

No.4885 (2017年12月09日発行) P.1

國松淳和 (国立国際医療研究センター総合診療科)

登録日: 2017-12-11

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  • 患者は受診時33歳男性、職業は内科医。1年前からの肩こり、後頸部痛を訴え受診。起床後に強い。明らかな神経所見はなし。

    私はこの患者の苦痛がわかる。なぜならこの症例写真の患者は私自身だからだ。

    18歳頃から片頭痛に悩まされていたものの、片頭痛というのが年齢とともに枯れて軽快する傾向にあるというのを30歳すぎから徐々に実感。今回の肩こり・頸部痛での受診のときには、以前の最盛期と比べると片頭痛の頻度も程度も随分軽快していた。それなのに……という戸惑いが心を占めていた。

    たかが肩こりといえど本当に辛く、出勤を妨げるほどであった。そんな折ふと心配になり頸椎X線を撮ってみた。それを見たとき私は絶句した。というのも、側面写真がないのである。が、本当に驚いたのは私が「前屈位」と思っていたものが側面写真だったことを知ったときである。見事な後弯だったのだ。

    写真のようにMRIではC4-5、C5-6中心に頸椎症、頸椎ヘルニアが著明(C6-7は癒合して塊椎)。この部位に一致して既に髄内にT2高信号域が出現。専門医には手術(前方除圧固定術)が必要と言われた。

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