検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

【話題5】強皮症の治療[特集:今、話題になっていること ─皮膚科編]

登録日: 2017.10.20 最終更新日: 2026.02.21

室田浩之 (大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室准教授)

お気に入りに登録する

過去の強皮症治療

これまで血流と皮膚硬化の改善を目的とした様々な治療薬の応用が試みられていた1)。そのひとつが降圧薬である。アンジオテンシン変換酵素阻害薬は指尖潰瘍と高血圧を有する症例に投与され,高血圧のコントロール,腎不全の予防に有用とされてきた。カルシウム拮抗薬はレイノー症状でみられる血管の一過性攣縮を寛解するとして用いられた。プロスタグランジン(prostaglandin:PG)E1は,末梢血管の拡張作用や血小板凝集抑制作用から諸家によりその有効性が報告され,現在も治療に用いられる。PGE1は肺循環で失活しやすいことから動脈内投与,持続点滴が行われてきた。

皮膚硬化の改善を目的としてd-ペニシラミンの投与も考慮された。本剤はコラーゲン架橋形成を阻害するとして皮膚硬化の改善に有効と考えられていた。副作用がたびたび問題となり,対リスク効果を考慮する必要があった。コルチコステロイドは炎症の強い時期から皮膚硬化の改善・予防に用いられるが,皮膚硬化が一度完成すると効果は少ないとされてきた。そのほか,理学療法として手指の拘縮を防ぐ目的で運動,マッサージ,低周波置針療法,温熱療法などが施術され,これらは現在も推奨されている(推奨度B)。


1 2 3