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血清中性脂肪値の食前・食後の差に意義はあるか?【食後高脂血症も治療の対象になるが,数値基準は未確定】

No.4841 (2017年02月04日発行) P.62

林 洋 (東京有明医療大学看護学部長)

登録日: 2017-01-31

最終更新日: 2017-01-31

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  • 健診などで血清中性脂肪値を評価する際,空腹時に採血し,150mg/dL以上の場合を脂質異常症として判定する診断基準がありますが,食後の中性脂肪値は評価の対象になっていません。
    最近,血清中性脂肪値の食前と食後の差は平均26mg/dLにすぎないことをある報告から知りましたが,私が診療している患者の中にはその差が200mg/dL以上ある人も多くいます。これらの患者は脂質異常症と考えてω3製剤などを投与すべきなのでしょうか。

    (質問者:千葉県 K)


    【回答】

    食事中の中性脂肪は,カイロミクロンに含まれて血液中を輸送されますが,血清中性脂肪値としてのピークは食後3〜4時間目とされています。一方,食後は,肝臓での中性脂肪産生も亢進し,その結果,肝臓から超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein:VLDL)も分泌され,これも食後に血清中性脂肪値が増加する原因になると考えられます。したがって,同じ人であっても,どのような食事を摂取したか,また,食後何時間目に採血したかによって血清中性脂肪値は変化するし,人が変われば,その人に脂質代謝異常があるかどうかということも含めて,大きく,その数値は変化すると思われます。

    たとえば,ご質問の「ある報告」と同じものかどうかはわかりませんが,日本糖尿病学会委員会より,総エネルギー量450kcal(エネルギー比率;炭水化物:脂質:蛋白質=51.4:33.3:15.3)のテストミールを,空腹時中性脂肪値150mg/dL未満(平均123mg/dL)の19人に食べさせたところ,血清中性脂肪値は,平均で1時間後に27mg/dL,2時間後に31mg/dL増加したと報告されました1)

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