「日本経済新聞」(以下、「日経」)6月20日朝刊は、日経・日経センターの医療制度「改革提言」の「最終報告」(以下、「提言」)を発表しました。「日経」は2021年1月以降、他の全国紙に比べて突出して、日本の医療政策と医療機関(特に民間病院)批判を繰り広げてきましたが、「提言」はそれの「集大成」と言えます。
「提言」は、「Ⅰ.医療提供体制の再構築」、「Ⅱ.医療イノベーションを国家戦略に」、「Ⅲ.負担と給付の改革を急げ」の3章構成です。その中には、医療DXの推進(Ⅱ)等、政府・厚生労働省だけでなく、日本医師会等も求めているものも含まれていますが、医療の実態や医療政策についての今までの議論の蓄積を踏まえない、浮世離れした提案も少なくありません。以下、私が特に問題だと思う提案を指摘します。