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【人】加藤 寛さん「心のケアを続けてきたのは罪悪感と使命感」

No.4751 (2015年05月16日発行) P.14

加藤 寛 (兵庫県こころのケアセンター長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-21

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  • 加藤 寛さん(Kato Hiroshi)

    兵庫県こころのケアセンター長

    1958年宮崎県生まれ。84年神戸大卒。都立墨東病院を経て、2004年兵庫県こころのケアセンター。12年から現職。著書に「消防士を救え!─災害救援者のための惨事ストレス対策講座」(東京法令出版)「心のケア」(共著、講談社)など

    「心のケアを続けてきたのは罪悪感と使命感」

    日本におけるトラウマ(心的外傷)治療の草分けの1人である加藤さん。災害や事故・事件を経験した人のトラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)の調査研究、診療を専門に行う全国初の施設である兵庫県こころのケアセンターのセンター長を務めている。東日本大震災発生以降は定期的に現地に赴き、心のケアに携わる医療職の研修も行う。

    「伝えていることは、これまでの失敗の経験です。精神科医が“心のケア”を提供しようとしても、あまり歓迎されません。精神科への抵抗のほかに、被災状況の想起を回避したい心理が影響するのでしょう」。被災者が受け入れやすい現実的で役立つサービスと組み合わせながら、保健活動と連携した地道な関係づくりが大事だと助言している。

    疫学研究によると、被災者でPTSDを発症するのは1割で、そのうち7割は自力で回復する。「生活が再建され身体的に健康であれば、心の傷は徐々に癒えます。被災地で活動する医療職の方々には、住民の健康をサポートし、自然回復力を支えていただきたいですね」

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