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顎骨腫瘍(エナメル上皮腫)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
柴原孝彦 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座教授)
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  • ■疾患メモ

    エナメル上皮腫は顎骨に発生する代表的な良性の歯原性腫瘍である。

    歯原性腫瘍とは歯を形成する組織に由来する腫瘍の総称で,顎骨ならびにその周囲という限局した領域に発生する。顎骨特有な腫瘍で,体幹など,他の部位にはみられない。

    大多数は良性の歯原性腫瘍であり99.2%を占めるが,良性でありながら術後再発を繰り返し,周囲軟組織にまで進展する病態(エナメル上皮腫,角化嚢胞性歯原性腫瘍など)もあるため,術前の正確な診断と病理組織学的診断に合った適切な治療が重要である。術後の長期的な経過観察は必須となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    無痛性の顎骨の腫脹,大きくなると顔面が非対称となり,顎骨の膨隆,変形を訴える。

    膨隆した顎骨では新生骨が薄いのでペコペコした羊皮紙様感を触知できる。

    口腔内では歯の移動,萌出障害,歯列不正,歯根の鋭利な吸収や歯の動揺がみられる。

    下顎では下唇の知覚低下や麻痺がみられることもある。

    【検査所見】

    パノラマX線写真,後頭前頭法X線写真,CT検査:単房(胞)性,多房(胞)性,蜂巣状あるいは石鹸泡状の境界明瞭な嚢胞様の透過像がみられ,辺縁硬化像を示す(図1)。

    19_15_顎骨腫瘍(エナメル上皮腫)

    腫瘍に接する歯根は鋭利な刃物で切断されたように吸収される。境界は明瞭で,滑らかな一層のX線不透過像(骨硬化線)を呈する。

    単房性ではホタテ貝状辺縁を呈する。大きくなると下顎下縁は膨隆して希薄化し,卵殻状を呈する。50%に埋伏歯を含む。

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