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再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)の新規承認3剤の使いわけ【それぞれ異なる作用機序と臨床的な特徴を持つため,症状に応じて判断する】

No.4899 (2018年03月17日発行) P.53

半田 寛 (群馬大学医学部附属病院血液内科診療教授)

丸山 大  (国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科病棟医長)

登録日: 2018-03-18

最終更新日: 2018-03-13

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  • 最近,再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL)に対して,フォロデシン,プララトレキサート,ロミデプシンの3つの薬剤が相次いで承認されました。これらの3つの薬剤のそれぞれの特性と使う順番や使いわけについて,国立がん研究センター・丸山 大先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    半田 寛 群馬大学医学部附属病院血液内科診療教授


    【回答】

    (1)フォロデシン

    フォロデシンはプリンヌクレオチドホスホリラーゼ(purine nucleosidephosphorylase:PNP)阻害薬です。国内治験では再発・再燃PTCL患者を対象としました。つまり,直前の治療に抵抗性を示した患者は除外されました。経口薬で,かつ毒性が軽微であることが特徴です。全奏効割合は22%で,奏効持続期間中央値は未到達でした。Grade 3以上のリンパ球減少が96%の患者で発現したため,感染予防も大切です。また,いまだ因果関係は明確ではありませんが,二次性のリンパ腫が認められました。リンパ球減少に伴うEBウイルスの再活性化が一因の可能性があり,注意が必要です。

    (2)プララトレキサート

    プララトレキサートは葉酸代謝拮抗薬です。国内治験では再発・再燃患者に加えて,直前の治療に抵抗性を示した患者が32%含まれていました。全奏効割合は45%で,非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL, not otherwise specified:PTCL-NOS)と血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)との奏効割合は同程度でした。奏効持続期間中央値は未到達でした。粘膜障害,血小板減少,肝障害などが主な有害事象です。特に粘膜障害(主に口内炎)の予防と管理が本剤を継続する上で重要です。国内治験では,治療開始前から歯科医と併診しながら,口腔ケア,クライオテラピー,保湿ジェルなどの支持療法を積極的に行いました。

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