株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

ノバルティスファーマ:「レボレード」が再生不良性貧血の新たな治療選択肢に[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4880 (2017年11月04日発行) P.23

登録日: 2017-10-31

最終更新日: 2017-10-31

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ノバルティスファーマは、「レボレード」(一般名:エルトロンボパグ)への再生不良性貧血の適応追加が今年8月に承認され、また同時に、従来重症例のみに使われてきた「ネオーラル」(一般名:シクロスポリン)の非重症の再生不良性貧血への適応拡大が認められたのを受け、10月16日にメディア向けセミナーを開いた。

再生不良性貧血は、造血幹細胞の減少により汎血球減少を来す難病。治療は、輸血などの支持療法と、免疫抑制療法、造血幹細胞移植などの造血機能を改善させる治療があるが、輸血は一定のリスクを伴うため、輸血不要となるように造血能を高めることが治療の目標となる。

移植非適応の再生不良性貧血未治療患者に対する標準治療は、現在「抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)+シクロスポリン」併用療法とされている。今回、未分化な造血幹細胞に作用し造血を促進させるレボレードが使用可能となったことで、ATG+シクロスポリン療法とエルトロンボパグ(レボレード)の併用などにより「輸血フリー」の患者が増えることが期待されている。

セミナーで講演した金沢大血液・呼吸器内科教授の中尾眞二氏(写真)は「重症であってもATG+シクロスポリン療法とエルトロンボパグとの併用により奏効率が大きく向上する可能性がある」と指摘。さらに臨床試験を踏まえ「免疫抑制療法無効例の約50%にエルトロンボパグが奏効する可能性がある」と述べ、治療選択肢にレボレードが加わることのインパクトを強調した。


「レボレード」の概要
巨核球や骨髄前駆細胞の増殖・分化を促進させる、経口投与が可能なトロンボポエチン受容体作動薬。日本では慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療薬として2010年に承認されている

関連物件情報

もっと見る

page top