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血液疾患の新たな3つの抗体治療薬

No.4724 (2014年11月08日発行) P.43

東原正明 (北里大学血液内科教)

登録日: 2014-11-08

最終更新日: 2016-10-26

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わが国で2001年から使用されているリツキシマブ(抗CD20抗体)は,B細胞性リンパ腫の予後を改善させた画期的な抗体治療薬であるが,その後,血液疾患領域では3つの抗体治療薬が登場した。
エクリズマブ(ヒト化抗C5抗体)は発作性夜間血色素尿症(PNH)の治療薬である(2010年4月承認)。本疾患は補体活性化を制御するGPIアンカー蛋白の後天性欠損があるため血管内溶血が起こる。本薬は補体C5に結合することで補体活性化を抑制し,劇的に溶血抑制効果を発揮する(文献1)。
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は,LSG15などの多剤併用化学療法での長期生存率は低い。モガムリズマブは,ATL細胞にも発現するCCR4抗原を標的とし,糖鎖フコースを減少させる技術によりADCC活性が100倍増幅している(2012年2月承認)。臨床試験における奏効率は50%である(文献2)。2014年3月に再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞性リンパ腫の治療薬として追加承認を受けた。
ブレンツキシマブ ベドチンは,抗CD30抗体に微小管阻害薬モノメチルアウリスタチンEが結合していて,それが細胞質内で遊離し,チューブリンに結合することにより微小管形成が阻害され,細胞周期の停止とアポトーシスが誘導される(2014年1月承認)。再発または難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫(文献3),未分化大細胞型リンパ腫(文献4)に対して適応がある。

【文献】


1) Kanakura Y, et al:Int J Hematol. 2011;93(1): 36-46.
2) Ishii T, et al:Clin Cancer Res. 2010;16(5): 1520-31.
3) Younes A, et al:J Clin Oncol. 2012;30(18): 2183-9.
4) Pro T, et al:J Clin Oncol. 2012;30(18):2190-6.

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