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CHOEP療法不応性の末梢性T細胞リンパ腫に対する救援療法

 【まずSMILE療法の実施を考慮】

No.4795 (2016年03月19日発行) P.56

鈴木律朗 (島根大学医学部附属病院腫瘍・血液内科准教授)

登録日: 2016-03-19

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

分類不能の末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma,not otherwise specified:PTCL-NOS)がcyclophosphamide,doxorubicin,vincristine,prednisoloneとetoposideによるCHOEP療法に反応しない場合の救援療法,特にリンパ腫がCCR4陰性の場合に選択すべき治療をご教示下さい。島根大学・鈴木律朗先生にお願いします。
【質問者】
中尾眞二:金沢大学医薬保健研究域医学系細胞移植学 (血液・呼吸器内科)教授

【A】

アントラサイクリンを含む化学療法に抵抗性のPTCL-NOSの治療法は悩ましいところです。doxorubicinが多剤耐性P糖蛋白の発現を誘導することも言われており,NK細胞リンパ腫と同様に考えることも必要です。
多くの救援化学療法の臨床試験は,かつてはB細胞も含めて実施されており,T細胞リンパ腫治療の参考にはなりにくいと思います。最近の救援化学療法の試験は,rituximabの出現でB細胞リンパ腫に限られる傾向がありました。わが国のNK腫瘍研究会では,T細胞リンパ腫に限った救援化学療法であるSMILE療法(dexamethasone+methotrexate+ifosfamide+L-asparaginase+etoposide)の臨床試験を実施しました。再発・難治を合わせた42例での全奏効率は48%で,難治例に限ると27%でした。エビデンスがあるという意味では,SMILE療法の実施がまず考慮されます。
他の救援化学療法としては,DexaBEAM療法〔dexamethasone+BCNU (carmustine)+etoposide+Ara-C (cytarabine)+melphalan〕,GDP療法(gemcitabine+dexamethasone+cisplatin),DHAP療法(dexamethasone+high-dose cytarabine+cisplatin)があります。DexaBEAM療法はICE療法(ifosfamide+carboplatin+etoposide)に対する優越性を示す比較試験がT細胞リンパ腫で存在しますが,わが国ではBCNUが使用できません。GDP療法はDHAP療法に対する非劣性を証明したNCIC CTG LY.12試験がありますが,B細胞リンパ腫も含んだ試験でT細胞リンパ腫のサブグループ解析は行われておらず,再発例と難治例をともに含む試験ですので,どこまでこうした場合に当てはめられるかは未知数です。

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