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iPS細胞とロボットスーツで身体機能再生 [慶大とサイバーダイン]

No.4801 (2016年04月30日発行) P.10

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-12-01

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慶大とサイバーダイン社は18日、慢性期の脊髄損傷に対しiPS細胞とロボットスーツを併用する臨床研究を共同で始めると発表した。
サイバーダイン社が開発した装着型ロボット「HAL(医療用)下肢タイプ」(写真)は、脳から筋肉へ送られる生体電位信号を検知し、モーターを駆動させることで歩行運動などを補助する。筋萎縮性側索硬化症(ALS)などを適応とする医療機器として昨年、承認された。
臨床研究の対象となるのは、受傷後半年以上の脊髄不全損傷、術後半年以上の脊髄腫瘍、重度の歩行障害を有する患者。研究は5~6月にも開始予定。まずはHALを装着した歩行訓練を1~3カ月実施し、HAL単独の身体機能再生効果を見極める。機能回復が不十分だった患者には、iPS細胞由来の神経幹細胞を移植し、HALとの併用効果を検討する。
慶大の岡野栄之医学部長によると、人を対象に再生医療とロボット技術の複合療法の効果を検討する臨床研究は世界初。同大の中村雅也教授は「将来的には、従来の薬物療法やリハビリでは治療できない神経変性疾患、脱髄性疾患などへの適応拡大を目指したい」と話している。

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