少子高齢化の日本では,高齢者のオーラルフレイルがたいへん問題となっています。通常の治療に漢方薬を併用することによるオーラルフレイル対策のメリットについてご教示下さい。
昭和大学・山口孝二郎先生にご解説をお願いします。
【質問者】
加藤士郎 筑波大学附属病院総合診療科臨床教授
【オーラルフレイルはフレイルの未病として位置づけられる。その改善は,フレイルの防止,健康寿命の延伸に貢献できる】
オーラルフレイルは,口の機能の健常な状態と「口の機能低下」との間にある状態を示す概念で,さらに進むと口腔機能低下症となります。オーラルフレイルの人は,身体的フレイル,サルコペニアなどのリスクが2倍以上になると言われています。
以下,口腔内環境と口腔運動機能の2要因に分けて,漢方療法を含めたオーラルフレイル・口腔機能低下症への対策について解説します。
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