原則として,ビタミンB12製剤の非経口投与(筋注または皮下注)を行うが,軽症の場合は最初から経口薬でもよい。
一手目 :フレスミンⓇ注(ヒドロキソコバラミン酢酸塩)1回1000µg 1日1回(筋注)週3回,合計6回を目安に貧血と自覚症状が改善するまで
二手目 :〈一手目の後〉維持療法:フレスミンⓇ注(ヒドロキソコバラミン酢酸塩)1回1000µg 1日1回(筋注),血清ビタミンB12値200pg/mL以上を目安に,1~6カ月に1回程度(多くは3カ月に1回程度)
三手目 :〈二手目の代わりに〉維持療法:メチコバールⓇ500 µg錠(メコバラミン)1回1錠1日3回(毎食後)
一手目 :フォリアミンⓇ5mg錠(葉酸)1回2錠1日1回(朝食後)
一手目 :純ココア(市販のもの)1回10g 1日3回(毎食後)
いずれの欠乏症においても鉄欠乏をきたしやすいため,リオナⓇ250mg錠(クエン酸第二鉄水和物)1回2錠1日1回(朝食直後)を,血清フェリチン値20ng/mL以上を目安に適宜併用する。
原因が不明,または輸血が必要な場合,血液科へコンサルトを行う。
巨赤芽球性貧血を契機に,がんや自己免疫疾患が発見されることがある。市販のサプリメントに含まれる微量元素は少量(多くは処方薬の<1%)のため治療効果に乏しい。
高見昭良(愛知医科大学内科学講座(血液内科)教授)