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成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に対する新規薬剤の使い方

No.5154 (2023年02月04日発行) P.61

長藤宏司 (久留米大学医学部内科学講座 血液・腫瘍内科部門教授)

石塚賢治 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 血液・膠原病内科学分野教授)

登録日: 2023-02-03

最終更新日: 2023-01-31

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  • 成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)に対する新規薬剤の使い方についてご教示下さい。
    鹿児島大学・石塚賢治先生にご解説をお願いします。

    【質問者】長藤宏司 久留米大学医学部内科学講座 血液・腫瘍内科部門教授


    【回答】

    【十分なエビデンスはないが,同種移植の可能性,病変部位や病勢によって選択している】

    ATLはヒトT細胞白血病ウイルス1型によって起こる予後不良なT細胞腫瘍ですが,アグレッシブATL(急性型,リンパ腫型,予後不良因子を持つ慢性型)に対し,近年いくつかの薬剤が使用可能になりました。

    (1)初回治療

    カットオフ値の設定にもよりますが,CCR4,CD30は,ほとんどのATL患者の腫瘍細胞で発現しています。それぞれの発現状況に応じて抗CCR4抗体であるモガムリズマブ(Mog),もしくは抗CD 30抗体薬物複合体のブレンツキシマブ ベドチン(BV)のどちらかと,通常の細胞障害性抗癌剤による化学療法(詳細はそれぞれの薬剤の添付文書をご確認下さい)を併用することが可能です。

    同種移植を計画しない患者でCCR4,CD30ともに陽性の場合に2剤のどちらを選択するべきかについてのエビデンスはありませんが,末梢血に多くのATL細胞が出現している場合にはMogを選択すると思います。

    なお,同種移植が治療計画に含まれる場合には,Mogの併用は基本的に避けるべきです。これはMogがCCR4を発現している正常制御性T細胞も傷害するため,移植片対宿主病の重症化を起こすからです。また,BVについても併用する化学療法の保険適用上の制約から,同種移植を予定している場合には使用していません。

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