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骨髄線維症で脾腫を伴う患者への同種造血細胞移植をどう実施するか?

No.5092 (2021年11月27日発行) P.51

内田直之 (虎の門病院血液内科部長)

髙木伸介 (虎の門病院血液内科医長)

登録日: 2021-11-25

最終更新日: 2021-11-22

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  • 脾腫を伴う場合,同種造血細胞移植後に血球回復の遅延や,生着不全が多くみられることが知られています。古くは脾照射や脾摘などが試みられ,最近ではルキソリチニブ(Rux)が使用可能となりました。現時点で推奨される対処方法について,ご教示下さい。
    虎の門病院・髙木伸介先生にご回答をお願いいたします。

    【質問者】

    内田直之 虎の門病院血液内科部長


    【回答】

     【脾腫の移植前治療はJAK1/2阻害薬が主役になりつつある】

    骨髄線維症(myelofibrosis:MF)は骨髄線維化と脾腫に伴う造血不全や全身症状(発熱,体重減少など)を主症状とする骨髄増殖性腫瘍です。唯一の根治療法は同種造血細胞移植(同種移植)で,予後予測スコアで適応を決定します。同種移植を行う場合の懸念は,生着不全・生着遅延・poor graft function(ドナー細胞の生着後に造血不全が遷延する状態)で,症例によっては生命予後に直結します。そのため,それらの主な原因のひとつである脾腫に対する移植前治療は移植医にとって大きな関心事であり続けています。

    従来から行われてきた脾摘や脾照射については,2013年に米国国際血液骨髄移植研究センター(Center for International Blood and Marrow Transplant Research:CIBMTR)からの大規模な解析で一定の結論が示されました。脾摘によるドナー細胞の生着促進効果が示されましたが,生着率・全生存率は改善しませんでした。一般的にMF患者に対する脾摘の周術期合併症の発生率は10〜20%とされており,高齢・造血不全・移植治療前となると現実的には適応が限られます。脾照射は生着促進効果さえも認めず,むしろ周辺臓器の放射線障害による不利益の可能性が懸念されます(肝類洞閉塞症候群など)。

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