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自己免疫性溶血性貧血[私の治療]

No.5051 (2021年02月13日発行) P.37

池添隆之 (福島県立医科大学血液内科学講座主任教授)

登録日: 2021-02-11

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  • 自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia:AIHA)は,赤血球膜抗原に対する自己抗体が後天性に産生され,この抗体が抗原と結合し,抗原抗体反応により赤血球が破壊される結果発症する。自己抗体の至適反応温度により温式と冷式に分類される。両病型ともに,基礎疾患の有無により続発性と特発性,臨床経過により急性と慢性に分類される。温式抗体によるAIHAは原則としてIgGが関与しており,これを単にAIHAと呼ぶことが多い。冷式抗体によるものには,IgM抗体による寒冷凝集症(cold agglutinin disease:CAD)と,Donath-Landsteiner抗体による発作性寒冷ヘモグロビン尿症(paroxysmal cold hemoglobinuria:PCH)とがあるが,後者は非常で稀であるため,本稿では温式AIHAとCADについて説明する。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    全身倦怠感,めまいや労作時息切れなどの一般的な貧血症状に加え,CADでは四肢末端,鼻尖,耳介などの低体温部位で赤血球凝集が起こるため,循環不全によるチアノーゼやRaynaud現象を認める。

    【所見】

    貧血が高度になると心不全に伴う所見を認める。温式AIHAでは1~2横指程度の脾腫を32~48%程度の頻度で認める。10~15%の頻度で,温式AIHAは特発性血小板減少性紫斑病を合併する。血小板減少が高度になると紫斑をはじめとする出血傾向を認める。

    【検査】

    血清LDHと血清間接ビリルビンの上昇,血清ハプトグロビンの低下,網赤血球の増加などの溶血性貧血の所見に加え,温式AIHAでは特異抗血清を用いたCoombs試験でIgGのみ,あるいはIgGと補体成分が検出される。臨床症状に加え,寒冷凝集素価の64倍以上の上昇と,特異的抗血清を用いたCoombs試験で補体成分が検出されればCADと診断できる。

    近年,慢性続発性CADは独立した低悪性度リンパ増殖性疾患であると考えられるようになった1)。CADを疑う症例では,M蛋白の検出や骨髄検査を行い,細胞表面抗原解析でクローナルなB細胞集団の検出に努める。

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