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急性骨髄性白血病(AML)[私の治療]

No.5029 (2020年09月12日発行) P.39

清井 仁 (名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学教授)

登録日: 2020-09-11

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  • 急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)は,分化・成熟能が障害された幼若骨髄系細胞のクローナルな自律性増殖を特徴とする,多様性に富む血液腫瘍である。骨髄におけるAML細胞の異常な増殖の結果,正常造血機能は著しく阻害され,好中球減少,貧血,血小板減少に起因する様々な症状を呈する。

    ▶診断のポイント

    骨髄有核細胞中に20%以上(WHO分類)の白血病細胞(芽球)を認め(FAB分類では30%以上),芽球が骨髄系細胞形質であることを,細胞化学的検査や表面抗原発現などによって診断する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    初発AMLに対する基本的な治療戦略は,治癒をめざした強力化学療法であり,多剤併用療法が基本となる。しかし,その適応は,化学療法による臓器毒性などの副作用に耐えられるかを年齢,臓器機能,全身状態,併存する疾患の状態などに基づいて,慎重かつ厳密に判断しなければならない。

    現在,多くの予後層別化因子が明らかにされているが,染色体核型に基づく層別化は,治療薬の選択や同種造血幹細胞移植の適応に重要であるため,診断時の染色体検査は必須である。

    AMLに対する化学療法は,寛解導入療法と寛解が得られた後に行う寛解後療法からなる。未治療若年者(65歳未満)に対する標準的寛解導入療法は,キロサイド®(シタラビン)とイダマイシン®(イダルビシン)またはダウノマイシン®(ダウノルビシン)との併用療法である。RARA遺伝子転座を特徴とする急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia:A PL)に対しては,ビタミンA誘導体であるベサノイド®(トレチノイン)を中心とした治療が適応となるため,染色体分染法やFISH(fluorescent in situ hybridization)法による染色体核型検査やPCR法による融合遺伝子検索によってRARA遺伝子転座の存在を鑑別する必要がある。

    寛解後療法では,キロサイド®(シタラビン)とアントラサイクリン系薬剤など〔ノバントロン®(ミトキサントロン),ダウノマイシン®(ダウノルビシン),アクラシノン®(アクラルビシン),ベプシド®(エトポシド),オンコビン®(ビンクリスチン),フィルデシン®(ビンデシン)〕との組み合わせによる4コースの地固め療法が主として用いられる。t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1もしくはinv(16)(p13.1q22)/t(16;16)(p13.1;q22);CBFB-MYH11を有するAML〔core-binding factor(CBF)-AMLと呼ばれる〕に対しては,キロサイド®(シタラビン)大量療法3コースの地固め療法が有用であることが示されている。

    第一寛解期での同種造血幹細胞移植療法は,染色体核型などの予後因子に基づき,予後良好群以外の症例に対して適応となる。

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