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忘れられない先輩・同僚の一言【聞かせてください! 現場のホンネ】(83)

No.4911 (2018年06月09日発行) P.70

登録日: 2018-06-11

最終更新日: 2018-11-28

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今回紹介するのは、「忘れられない先輩・同僚の一言」。前を向かせてくれた言葉、背筋が伸びる言葉など、何年経っても心に残っている言葉がたくさんのエピソードとともに寄せられました。

【嬉しかった言葉・感動した言葉】

「患者さんのことを思ってよく勉強してきたな」……研修医として初めて担当主治医となった肺がんの患者さんが激しい痛みを訴えていた際に、先輩に教えてもらった治療で効果がなく、対処法を調べたところ言われた言葉。(勤務医)

「おばあちゃん! 気にしなくても良いのよ。順番順番だからね」…… 患者さんが身体をこちらに向けようともがき苦しんでいる時、看護師が手を回しながら言った言葉。この方も昔は現役であった、自分も現役を終わったら患者になる。その輪廻を日々感じているからこその言葉だと感心した。(勤務医・内科)

【前を向かせてくれた言葉・やる気が出た言葉】

「何もしなければ何も起こらない」…… 執刀した患者に術後合併症が生じて意気消沈している時、上司がかけてくれた言葉。挑戦に困難は付きもの。耐えて前進すべし、の気概を与えてくれた。 (開業医・耳鼻咽喉科)

「分からないことがあったら、○○(わたしの名前)に聞け」…… 勤務医時代に症例検討会で、たまたま私の発言が難治例の解決につながり、同僚から言われるように。その言葉に恥じないよう、一生学問を探宛しようという気持ちになった。(開業医・内科)

「医者は芸者と一緒や! お声をかけてもらえなくなったら終いや」…… 研修医の頃、先輩医師や看護師に用事を頼まれて「忙しすぎる」とぼやいている時、当時の教授よりご指導いただいた。今ではその通りだと思う。(勤務医・内科)

【厳しくも温かい言葉】

「3年の間にできなかったことは一生できない」…… 研修医の時、上司からの一言。いつでも勉強なんかできると思っていたが、20年以上たった今、やっていなかったことはできていない。(勤務医・内科)

「今頑張った方がいいよ」…… 周りは今のうちに遊んだ方がいいと言う中、声を掛けてくれた。(医学生)

「自分のレベルの低さを知れ」…… 厳しく言い放ってくれる人はなかなかいない。貴重な存在だと感じた。(看護師)

「たとえお前がやったにしても俺がやったのと同じ結果を出さないと患者に申し訳ない。だから俺はお前を厳しく指導する」…… 研修医1年目、医長からの一言。大変厳しかったが、手術結果に関して後からあれこれ言われることはなかった。以後、私もその先輩を見習い、後輩が術者の際には術中は厳しく接して、結果が悪くても後から責めない、すべて自分が責任をとる、という覚悟で指導してきた。医長には今でもとても感謝している。(勤務医・整形外科)

【役に立った言葉】

「診断に苦慮する症例を診た時は血清を凍結保存しておくと“後の医学”がそれを解明してくれることがある」…… 30年以上前に言われたが、これだけ遺伝子診断が発達した昨今、“さすが”とよく思い出す。(勤務医・内科)

「まず患者を見に行け。看護師は医師よりもよっぽど患者のことを観察している」…… 報告する側・される側では、重症度評価などどうしても誤解が生まれることがある。評価しプランニングする医師はまず患者を確認する必要があると学んだ。(勤務医・内科)

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