クラミジアによる子宮頸管炎の90%は,罹患しても自覚症状がない。このため,気づかずに放置すると上行感染して卵管炎や骨盤内炎症疾患(pelvic inflammatory disease:PID),肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群:FHCS)を引き起こす。卵管炎が長期間持続すると不妊症や異所性妊娠の原因になるため,早期発見を心がける。また,妊婦に感染すると産道感染により新生児結膜炎や肺炎を起こすため,妊婦健診でスクリーニングが行われる。罹患者は,ほとんどは妊娠・出産を控えた20~30歳である。
性交渉の経験がある女性が,帯下異常,下腹部痛,上腹部痛を自覚したら本疾患を疑う。また,淋菌感染症との鑑別を要するため,クラミジアと淋菌の同時検査を行うことが望ましい。
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