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(3)難治性疼痛に対する脳刺激療法 [特集:脳刺激療法で治療できる症状・疾患]

No.4798 (2016年04月09日発行) P.36

細見晃一 (大阪大学大学院医学系研究科脳神経機能再生学・脳神経外科学特任講師)

齋藤洋一 (大阪大学大学院医学系研究科脳神経機能再生学・脳神経外科学特任教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2021-01-05

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  • 難治性疼痛に対する脳刺激療法には,手術によって刺激装置・電極を植え込むものとして脳深部刺激療法(DBS)と一次運動野電気刺激療法(EMCS)があり,非侵襲法として反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電気刺激(tDCS)などがある

    脳刺激療法の主な対象疾患は,通常の薬物治療などで十分な除痛が得られていない神経障害性疼痛である

    難治性疼痛に対するrTMSなどの非侵襲的脳刺激療法は,薬事承認はまだ得られておらず,実臨床への応用にはさらなる臨床試験や治験が必要である

    1. 脳刺激療法の種類

    難治性疼痛に対する脳刺激療法としては,脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS),一次運動野電気刺激療法(electrical motor cortex stimulation:EMCS),反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS),経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)などが行われている(図1)1)
    DBSとEMCSは,心臓ペースメーカーのような植え込み式の電極とリード,刺激装置を用いる外科的治療である。rTMSとtDCSは,頭皮上から脳皮質を刺激する非外科的治療であるが,刺激装置自体が治療機器として認可されておらず,臨床試験として行われている。そのほか,脳刺激ではないが,脊髄硬膜外刺激療法(保険適用)という神経刺激療法も一部のペインクリニックや脳神経外科などで行われている。このように,神経系の構造をできるだけ破壊せず保ったまま,電気刺激で神経活動を変化させて疾患を治療するものをニューロモデュレーション療法とも言う。本稿では,難治性疼痛に対する脳刺激療法を中心に概説する。

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