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学校健診の運動器検診で整形外科に紹介すべき異常とは?【上肢・下肢の状態を歩容や片脚立ち,しゃがみ込みなどでチェック】

No.4873 (2017年09月16日発行) P.64

帖佐悦男 (宮崎大学医学部整形外科教授)

登録日: 2017-09-18

最終更新日: 2017-09-12

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  • 2016年4月から学校健診で運動器の検診が始まりましたが,どの程度の異常をみつけた時,整形外科医に紹介すべきでしょうか。

    (和歌山県 T)


    【回答】

    (1)総論

    学校健診時,運動器に下記の異常を認めた際には,整形外科に紹介するとよいと考えます。
    ・歩容異常
    ・痛み(動作時,安静時)
    ・しびれ(動作時,安静時)
    ・筋力低下(力が入らない)
    ・明らかに動作がおかしい
    ・明らかな左右差
    ・明らかな変形
    ・明らかな関節の不安定感
    ・局所の腫脹・熱感・圧痛

    (2)各論

    具体的なチェック項目を記します。


    ①歩容異常
    歩容異常を認めた時は原則「異常」とします。

    ②側弯
    脊柱の状態について下記4箇所をチェックします。体操着を着たままでも明らかにわかるものは「異常」とします。女子は特に注意して検診して下さい。

    ・両肩の高さに差がある
    ・ウェストライン(腰の脇線)の曲がり方に差がある
    ・両肩甲骨の高さ・位置に差がある
    ・前屈(前にかがむ)したときに左右の背面の高さに差がある。

    ③脊柱の状態:腰椎
    腰を前に曲げたり,後ろにそらしたりしたときに痛みがないかどうか調べます。明らかな痛みを訴えたり,可動域制限があれば「異常」とします。

    ④四肢の状態:肩・肘
    肘の曲げ伸ばしをしてもらいます。手のひらを上に向けて,肘を曲げたときに手指が肩につくかどうかをチェックします。同じく手のひらを上に向けて,腕を伸ばしたとき,肘が伸びているかどうかをチェックします。この際,明らかな疼痛,可動域(動き)の左右差がないかどうかもみます。特に動きの最初と最後に注意します。

    続けてバンザイをして腕が耳につかない,腕が上に挙がらないなどの異常がないかどうかを確認します。

    残り432文字あります

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