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進行食道癌へのchallenge:3剤併用化学療法+手術で究極のがん制圧をめざして

No.4763 (2015年08月08日発行) P.51

田中善宏 (岐阜大学腫瘍外科)

吉田和弘 (岐阜大学腫瘍外科教授)

登録日: 2015-08-08

最終更新日: 2016-10-26

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進行食道癌へのわが国における挑戦の歴史は,JCOG9204試験から始まり,手術単独よりもCD
DP+5-FUを追加することで再発予防効果が確かめられた。そしてJCOG9907試験によって,術後よりも術前化学療法が全生存率で良好であることが示された。これは,JCOG9906試験の根治的化学放射線治療の成績と比較しても良好なため,stageⅡ/Ⅲ食道癌に対しては,術前化学療法+手術が標準治療として認められている。しかし,奏効率は35%程度であり,進行度が上がるにつれて,その上乗せ効果が薄れることが指摘されていた。
そのような中で,タキサン系薬剤の追加は,血液毒性の高さを克服すれば相当の奏効率であることが報告(文献1,2)されはじめた。奏効率は60~80%を超え,遠隔・局所制御ともに良好な成績が報告された。術前の使用において周術期合併症を増加させず,現在JCOG1109試験〔臨床病期ⅠB/Ⅱ/Ⅲ食道癌に対する術前CF(5-FU+CDDP)/術前DCF(5-FU+CDDP+ドセタキセル)/術前CF併用放射線治療の第3相比較試験〕が行われており,その結果が待たれる。

【文献】


1) Tanaka Y, et al:Cancer Chemother Pharmacol. 2010;66(6):1159-65.
2) Hara H, et al:Cancer Sci. 2013;104(11):1455-60.

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