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消化器症状(便秘・下痢を除く)[私の治療]

No.5192 (2023年10月28日発行) P.45

岡田孝弘 (オカダ外科医院院長)

登録日: 2023-10-31

最終更新日: 2023-10-24

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  • 在宅の現場では往診した時点で,緊急事態なのか,様子をみていいのか,検査もできない状態で判断を求められる。問診,視診,触診,打診,聴診など,五感をすべて用いて,経験と知識で診断することが求められる。
    問診:いつから,どこが,どのような症状か。発熱の有無,食事との関係,食事内容,嘔吐の有無。鎮痛薬など薬の副作用の確認など。
    視・触診:膝を立てて腹筋をゆるめ,痛みのないところから,温かい手でゆっくり痛みを探る。腹部膨満,腫瘍,腹水,残便,腹膜刺激症状の有無,腹部大動脈の走行など。
    打診:鼓音の程度。
    聴診:グル音,メタリックサウンドの有無,呼吸音など。
    血液検査:主要項目をチェック。
    なお,高齢者の場合,訴えを上手に伝えられない,症状が鈍いために所見がとりにくい,炎症があっても発熱などしない,といった場合もあり,慎重を要する。
    本人からの十分な聴取ができないときは,介護者や訪問看護師からの情報も大事である。また,腹部所見が異常か否かは,患者の腹部所見を正常時に的確に把握しているかに関わる。普段から話をしながら,腹部所見をとることが大事である。

    ▶治療の実際

    【胃食道逆流症(GERD)】

    「胃食道逆流により症状や合併症が引き起こされる疾患」と定義される概念である。原因は下部食道括約筋の機能不全により,胃内容物が食道に逆流するために生じるものである。症状としては,胸焼け,つかえ感,喉の痛みやイガイガ感として現れる。

    一手目 :姿勢の調整

    臥床していると胃内容物が食道に逆流しやすいので,食後,胃瘻注入後は右側臥位でややうつむき気味にし,10分ほど傾けた後,仰向けに戻す。その後も少し上半身を上げた軽いファーラー位を保つ。寝たきりでない人は,敷布団の下に座布団などを挿入し,背中から頭位を少し高くした状態で寝ることで改善することもある。

    二手目 :〈一手目に追加〉〈胃酸を減らすため〉プロテカジン10mg OD錠(ラフチジン)1回1錠1日1回(夕食後または就寝前),〈症状が強い場合〉タケプロン15mg OD錠・ 30mg OD錠(ランソプラゾール)1回1錠1日1回(喉の痛みを訴える場合は就寝前投与が有効),〈食道不快感が強い場合〉アルロイドG内用液(アルギン酸ナトリウム)1回20mL 1日3~4回(空腹時に有効)

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