33歳男性が頸部腫大を主訴に受診した。エコーにて甲状腺右葉に3mm大の乳頭癌を疑う結節、峡部に15mm大の結節、左葉に45mm大の結節がみられ、血液検査所見上FT3 4.2pg/mL(基準値:2.2~4.3pg/mL)、FT4 1.60ng/dL(基準値:0.8~1.6ng/dL)、TSH 0.01μIU/mL(基準値:0.2~4.5μIU/mL)、TRAb<0.8IU/L(基準値:<2.0IU/L)とTRAb陰性の潜在性甲状腺中毒症を呈していた。各々の結節に対しエコー下穿刺吸引細胞診を施行したところ悪性所見はみられず、機能性甲状腺結節を念頭に置き、経過中にTSHが抑制された時点でシンチグラフィーによる確定診断を行う方針として注意深い経過観察を開始した。
残り639文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する