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十二指腸乳頭部腺腫に対する内視鏡治療の適応 【膵管,膵臓,胆管への浸潤がない症例が適応】

No.4819 (2016年09月03日発行) P.56

安田一朗 (帝京大学医学部附属溝口病院消化器内科教授)

五十嵐良典 (東邦大学医療センター大森病院消化器内科 教授)

登録日: 2016-10-19

最終更新日: 2016-10-19

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  • 十二指腸乳頭部腺腫に対する内視鏡的切除術(パピレクトミー)の適応について,経過観察症例と切除を勧める症例とはどのように振りわけていますか。また,腺腫内癌も適応に含める場合,癌が上皮内にとどまるという判断は何をもって行えばよいでしょうか。東邦大学医療センター大森病院・五十嵐良典先生のご回答をお願いします。

    【質問者】

    安田一朗 帝京大学医学部附属溝口病院消化器内科教授


    【回答】

    十二指腸乳頭部腺腫に対して内視鏡治療を行う際は,必ず側視鏡(十二指腸スコープ)による正面からの観察と大きめの鉗子で生検を行っています。内視鏡像からは隆起型(陥凹型は,進行癌の可能性が高い)を,生検組織診断からは過形成変化1),腺腫を適応にしています。隆起型腫瘍で発赤が目立つ場合には,生検組織診断で腺腫であっても,多くは最終的に異型度が高度になります。ERCP,EUS,IDUS[注]などで腫瘍がOddi筋を越えておらず,十二指腸粘膜内で,膵管,膵臓,胆管への浸潤がない症例を適応にしています2)

    腺腫内癌は術前生検で診断されることは少なく,中等度から高度異型の腺腫と診断されることが多く,内視鏡像では発赤調であったり,表面形態が周囲と異なるときに疑います。術前診断では腺腫ですが,一括切除した検体の最終病理組織診断で腺腫内癌と診断されることが多くあります。腺腫および腺腫内癌は,長期の経過観察で再発や転移などもなく,予後は良好です。原則として術前生検組織診断で,癌と診断された場合には内視鏡的切除の適応ではなく,外科手術を強く勧めます。乳頭部癌の外科切除例の予後が良好なことが,その理由です。

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