小児緑内障は「小児期に発症した病態に起因する緑内障」と定義されている1)。隅角形成異常に起因する原発小児緑内障は原発先天緑内障と若年開放隅角緑内障にわけられ,形成異常が高度な原発先天緑内障は,生後早期からの高眼圧や牛眼などの特徴的な所見を呈する。続発小児緑内障には,先天眼形成異常や先天全身疾患に関連した緑内障,後天要因による続発緑内障および白内障術後の緑内障が含まれる。
①高眼圧,②視神経乳頭陥凹拡大・リム菲薄化,③角膜径拡大・Haab線(高眼圧によるDescemet膜破裂線),④眼軸長伸長を伴った近視化,⑤緑内障性視神経症に一致した再現性のある視野欠損,の5項目のうち2つ以上を満たす場合に小児緑内障と診断される1)。乳幼児では眼圧の正確な評価と視野検査が困難であるので,早期発症例においては高眼圧によって生じる他覚的異常(③,④)も診断基準に含まれている。
原発先天緑内障では手術治療が第一選択である。薬物治療は眼圧下降効果が不十分であったり,小児特有の副作用の可能性があるので,手術治療に対する補助的治療である。一方,若年開放隅角緑内障やブドウ膜炎および白内障術後などの続発緑内障では薬物治療が第一選択となる。
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