日本老年医学会は、加齢に伴う機能変化や生理的予備能の低下によって健康障害を招きやすい状態を「フレイル」と名付け、その予防の重要性を啓発している。
同学会のフレイルワーキングで座長を務めたのが荒井さん。今年1月からは国立長寿医療研究センターに移り、名実ともに日本のフレイル研究を主導することになった。
「1年くらいでゆっくり体重が減り、疲れやすさ、体力の衰えを訴える患者さんがいます。検査して異常がないと『年齢のせい』と片づけてしまいがちですが、それはフレイルの状態です。ですから読者の先生方には、フレイルの患者をしっかり指導して、生活機能の向上を図っていただきたいですね」
フレイルは、適切に介入することにより再び健常な状態に戻すことができる“可逆性”を有する。「まずはタンパク質とビタミンDの摂取を十分に行い、運動習慣をつけること。そして、社会参加を積極的に行い、ワクチン接種などにより感染予防に努め、薬剤の多剤併用に注意することが大事です」
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