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認知症対応へ専門医の育成と偏在改善に注力―老年精神医学会・池田氏

登録日: 2018-05-31

最終更新日: 2018-05-31

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今後の学会活動への抱負を語る池田氏

日本老年精神医学会が30日に都内で開いたセミナーで、近く同学会理事長に就任予定の池田学氏(阪大教授)は、認知症患者の増加に対応するため、学会として専門医の育成と偏在改善に注力したいと語った。

池田氏によると、国内の認知症患者は現在約500万人、軽度認知障害(MCI)を合わせると約1000万人と推計される一方で、専門医の数は老年精神医学会と日本認知症学会を合わせても2000人程度にとどまり、分布の面でも全国的に大きなバラツキがあるという。

池田氏は「患者に寄り添うという点で、かかりつけ医や認知症サポート医の役割は大きいが、激しいBPSD(行動・心理症状)などがある患者を診た時に、身近な専門医へ紹介できる環境がなければ、診療ネットワークは脆弱になる」と指摘。「社会的ニーズも考慮しつつ、質の高い専門医を確実に増やしたい」とし、地域偏在に関しても「改善する仕組みを学会として作っていきたい」と述べた。また、専門医の診察に対する診療報酬上の評価の充実についても「認知症学会と歩調を合わせつつ、(国と)交渉していきたい」とした。

このほか、同学会が今年4月に開始した「専門心理士」の認定制度を契機として、認知症に関わる多職種のエキスパート養成にも取り組む考えを示した。

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