株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

塩野義製薬:1回の経口投与で治療完結、インフル新薬「ゾフルーザ」承認[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4897 (2018年03月03日発行) P.17

登録日: 2018-03-01

最終更新日: 2018-03-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

塩野義製薬は2月23日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ錠10mg・20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル)の製造販売承認を同日付で取得したと発表した。国の「先駆け審査指定制度」の対象品目であることやインフルエンザの流行状況を踏まえ、昨年10月の申請から4カ月でのスピード承認となった。

ゾフルーザは、塩野義製薬が創製した「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」。A型・B型インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害し、ウイルスmRNAの合成を阻害するという既存の薬剤とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。

承認された適応症は「A型またはB型インフルエンザウイルス感染症」。1回のみの経口投与で治療が完結するため、利便性が高く、良好なアドヒアランスが期待されている。

成人・青少年患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(T0831試験)では、ゾフルーザ群はプラセボ群と比較してインフルエンザ罹病期間が有意に短いことが示され、オセルタミビル(タミフル)群との比較では罹患期間の短縮率は同等であることが示されている。

塩野義製薬は、薬価収載後、ゾフルーザを速やかに発売する方針だ。

「ゾフルーザ錠」の用法・用量
20mg錠2錠を単回経口投与(成人・12歳以上小児で体重80kg以上の場合は20mg錠4錠、12歳未満小児で20kg以上40kg未満の場合は20mg錠1錠、10kg以上20kg未満の場合は10mg錠1錠を単回投与)

関連物件情報

もっと見る

page top