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アトピー性皮膚炎に初の抗体医薬、近く承認へ【新薬情報】

登録日: 2017-11-07

最終更新日: 2017-11-10

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薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は6日、サノフィのアトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント皮下注」(一般名:デュピルマブ〈遺伝子組換え〉)の承認を了承した。12月にも正式に承認され、アトピー性皮膚炎では国内初の抗体医薬となる。

同薬はインターロイキン(IL)-4受容体のアルファサブユニットに対するヒトIgG4モノクローナル抗体で、アトピー性皮膚炎の病態形成に関与するIL-4とIL-13を介したシグナル伝達経路を阻害する。ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬など、既存の抗炎症外用薬で効果不十分な患者に用いる。成人には600mgを投与初日に1回皮下投与し、その後は300mgを2週に1回皮下投与する。サノフィは使用対象患者数を約2万7000人と見込んでいたが、最適使用推進ガイドライン(用語解説)の対象品目となったため、対象患者が絞り込まれる可能性がある。

同日の部会では、久光製薬の「アレサガテープ」(エメダスチンフマル酸塩)の承認も了承された。同薬はアレルギー性鼻炎に用いる貼付剤。同成分を含有する既承認の経口剤が1日2回投与であるのに対し、同薬は1回4mgを胸部、上腕部、背部または腹部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える。症状に応じて1回8mgに増量できる。臨床上では、既承認のヒスタミンH1受容体拮抗薬と同様の位置づけとなる。

【最適使用推進ガイドライン】:革新的な新作用機序を持つ医薬品や高額医薬品を対象に、投与できる患者や医療機関等の要件などの使用上の留意事項を示す国の指針。承認審査と並行して作成。オプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、レパーサ(エボロクマブ)で作成済。

承認予定医薬品(6日の部会で了承された品目)

アレサガテープ4mg、同8mg(エメダスチンフマル酸塩、久光製薬):アレルギー性鼻炎【新投与経路医薬品】

デュピクセント皮下注300mgシリンジ(デュピルマブ〈遺伝子組換え〉、サノフィ):既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎【新有効成分含有医薬品】

ネイリンカプセル100mg(ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物、佐藤製薬):爪白癬【新有効成分含有医薬品】

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ〈遺伝子組換え〉、中外製薬):切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌【新有効成分含有医薬品】

アディノベイト静注用250、同500、同1000、同2000(ルリオクトコグ アルファ ペゴル〈遺伝子組換え〉、バクスアルタ):血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制【新用量医薬品(12歳未満の小児用量を追加)】

キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ〈遺伝子組換え〉、MSD):再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫【効能追加】

エタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」、同25mg「MA」、同25mgシリンジ0.5mL「MA」、同50mgシリンジ1.0mL「MA」、同50mgペン1.0mL「MA」(エタネルセプト〈遺伝子組換え〉、持田製薬):既存治療で効果不十分な、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎【バイオ後続品】

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