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新機序の高コレステロール血症治療薬が承認へ - 新薬情報

No.4781 (2015年12月12日発行) P.12

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-31

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会と第二部会はこのほど、別掲の8成分12品目について、承認して差し支えないとの結論をとりまとめた。

このうち、アステラス・アムジェン・バイオファーマの「レパーサ皮下注」(一般名=エボロクマブ)は、「プロタンパク転換酵素サブチリシン・ケキシン9型(PCSK9)阻害剤」と呼ばれる、新たな作用機序を持つ高コレステロール血症治療薬。

新有効成分のエボロクマブはヒトモノクローナル抗体で、肝臓におけるLDLコレステロール(LDL-C)の取り込みを抑制するPCSK9に結合し、LDL受容体の肝細胞内における分解を阻害することで、血中LDL-C値を減少させる。

臨床上の位置づけとしては、高コレステロール血症の薬物療法の第一選択薬とされているスタチン療法の効果が不十分で、強力なLDL-C低下の必要性が高い患者、心血管イベントのリスクが高い患者に限定して、スタチンを含む既存治療に併用して投与される。

ニボルマブ、非小細胞肺癌にも適応拡大

小野薬品工業の「オプジーボ点滴静注」(一般名=ニボルマブ)は、根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対する効能・効果で承認されているが、今回、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌への適応拡大が認められる見通しとなった。

臨床上では、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴を有する患者に対する治療選択肢の1つとなり、既存類薬のタキソテールおよびワンタキソテール(ドセタキセル水和物)、アリムタ(ペメトレキセドナトリウム水和物)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)等と同様の位置づけになる。

用法・用量は、非小細胞肺癌の成人に対して通常、1日当たり3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。


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