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高脂血症治療薬の配合剤「アトーゼット」など近く承認へ【新薬情報】

登録日: 2017-08-02

最終更新日: 2018-11-28

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は1日、MSDの高コレステロール血症治療薬「アトーゼット配合錠」(一般名:エゼチミブ/アトルバスタチンカルシウム水和物)など、新薬5成分の承認を了承した。

アトーゼットは、承認されればLDLコレステロール低下薬同士の組み合わせとしては初となる配合剤。効能・効果は「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症(FH)」。心血管イベントのリスク低減を目的としたLDLコレステロール(LDL-C)の是正にはスタチンが第一選択となるが、厳格なLDL-C管理が必要な一次予防高リスク群や二次予防、FHにおいては、スタチン単独で管理目標が達成できない場合にはエゼチミブが併用される。

1日1回1錠を食後に経口投与して用いる。臨床上においては、原則として、各単剤の併用で安定している患者における切替えや、アトルバスタチン10mgまたは20mgで効果不十分な場合の切替えで使用される製剤として位置づけられる。

■球脊髄性筋萎縮症に初の薬物治療

同日の部会では、武田薬品工業の「リュープリンSR注射用キット」(リュープロレリン酢酸塩)について「球脊髄性筋萎縮症(SBMA、用語解説)の進行抑制」への適応拡大も了承された。同薬は、現行では「前立腺癌」と「閉経前乳癌」の効能で承認されている黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体。

現在SBMAに対しては、症状の進行に応じた運動療法とともに、誤嚥予防などの生活指導が行われているのみで、有効な治療法は存在していない。海外でも同薬のSBMAに対する開発は行われておらず、承認されれば世界初の薬物治療を提供するものとなる。

【用語解説】球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
男性のみに発症する遺伝性の神経変性疾患。30~60歳頃に発症し、10~15年かけて四肢近位部の筋力低下、筋萎縮、球麻痺が進行、末期には車椅子や寝たきりの生活となる。X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子内のCAG繰り返し配列の異常延長が原因。指定難病の1つで、Kennedy病とも呼ばれる。

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