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がん治療薬「キイトルーダ」、 2017年早い段階での上市目指す[新薬FRONTLINE]

No.4838 (2017年01月14日発行) P.22

登録日: 2017-01-11

最終更新日: 2017-01-11

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MSD:がん治療薬「キイトルーダ」、 2017年早い段階での上市目指す

MSDのヤニー・ウェストハイゼン社長(写真)は12月8日、同社記者懇談会で挨拶し、がん免疫療法薬「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)について「2017年の早い段階」での上市を目指す考えを示した。

キイトルーダは抗PD-1抗体(ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体)で、小野薬品工業の「オプジーボ」と同じ作用を示す。MSDは昨年9月に悪性黒色腫、12月に非小細胞肺がんに対する効能・効果の承認を取得し、さらに胃がんをはじめ多くのがん腫への適応拡大を目指して後期臨床試験を進めており、オプジーボとの激しい競争が予想されている。MSDは、薬価収載までの間、「治療選択肢が限られているPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんのうち、ファーストライン治療におけるPD-L1高発現の患者」を対象にキイトルーダの無償提供を行う方針だ。

8日の記者懇談会でウェストハイゼン社長は、キイトルーダのほか、2016年の成果として経口C型肝炎治療薬「エレルサ錠」(一般名:エルバスビル)/「グラジナ錠」(一般名:グラゾプレビル水和物)を上市したことを強調。その他の領域については、DPP-4阻害薬「マリゼブ」「ジャヌビア」を通じて糖尿病領域への貢献を続けていく考えなどを示した。

●現段階で承認されている「キイトルーダ」の効能・効果(用法・用量)
①根治切除不能な悪性黒色腫(1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注)
②PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(1回200mgを3週間間隔で点滴静注)

ギリアド・サイエンシズ:B型肝炎治療薬「ベムリディ」の承認取得、投与量低減を実現

ギリアド・サイエンシズは12月19日、B型慢性肝炎治療薬「ベムリディ錠25mg」(一般名:テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)の製造販売承認を同日付で取得したと発表した。

ベムリディは、代償性肝疾患を伴う慢性B型肝炎ウイルス感染症の成人を対象とした1日1回投与の治療薬。テノホビルのプロドラッグ(体内で代謝されてから作用を及ぼす薬)で、グラクソ・スミスクラインより国内で販売されている既存薬のテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(商品名:テノゼット錠300mg)と比べ、血漿中の安定性が高く、テノホビルを効率的に肝細胞に送達することができ、腎と骨に対する安全性も改善したとされている。

第3相国際共同試験における有害事象による投与中止率は1%。主要な有害事象は頭痛、腹痛、倦怠感、咳、悪心、腰痛などで、これらの発生率もテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩と同程度だった。

ベムリディの承認について武蔵野赤十字病院院長の泉並木氏は「B型慢性肝炎治療薬は服薬期間が長いため、腎および骨に対する安全性が改善された新しい治療法が患者にもたらされることをうれしく思う」とコメントしている。

●「ベムリディ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制
【用法・用量】1回25mgを1日1回経口投与

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