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年1回投与の骨粗鬆症治療薬 [新薬FRONTLINE]

No.4828 (2016年11月05日発行) P.23

登録日: 2016-11-02

最終更新日: 2016-11-02

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旭化成ファーマ:年1回投与の骨粗鬆症治療薬「リクラスト」、現場から期待感



旭化成ファーマは10月18日、年1回投与の骨粗鬆症治療薬「リクラスト点滴静注液5mg」(一般名=ゾレドロン酸水和物)の新製品説明会を開催した。

リクラストは、スイスのノバルティスファーマ社が創製したビスホスホネート製剤。世界初の年1回点滴静脈内投与の骨粗鬆症治療薬としてこれまでに米国・欧州など115カ国以上で承認されている。旭化成ファーマは2010年に日本における独占的開発・販売権を取得して開発を進め、今年9月、製造販売承認を取得した。

18日の説明会では、原発性骨粗鬆症患者を対象にプラセボとの比較を行った国内臨床試験について鳥取大病院リハビリテーション部長の萩野浩氏(写真右)が解説し、「新規椎体骨折発生率を65%抑制したのみならず、非椎体骨折発生率も45%抑制した」とリクラストの有効性を強調。従来の月1回投与の骨粗鬆症治療薬と比べても「骨折抑制効果に関するエビデンスレベルが高い」との見解を示した。

沖本クリニック院長の沖本信和氏(写真左)は、リクラストが特に適する患者像として「大腿骨近位部骨折の2次骨折予防をしたい患者」「通院困難な患者」を挙げ、医療連携で年1回投与できる体制を整えれば「治療開始・継続100%が目指せるのでは」と期待感を示した。

旭化成ファーマは薬価収載後速やかに同剤を発売する方針。堀一良社長は「患者数ベースでビスホスホネート製剤市場の5〜10%を目指す」との目標を示している。

●「リクラスト」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】骨粗鬆症
【用法・用量】1年に1回、5mgを15分以上かけて点滴静脈内投与

日本ベーリンガーインゲルハイム/アステラス製薬:ARB/CCB/利尿薬3剤合剤「ミカトリオ」の承認取得

日本ベーリンガーインゲルハイムとアステラス製薬は9月28日、ARBの「ミカルディス錠」とカルシウム拮抗薬(CCB)、利尿薬の配合剤「ミカトリオ配合錠」(テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩/ヒドロクロロチアジド)の製造販売承認を同日付で取得したと発表した。

ミカトリオは、日本初のARB/CCB/利尿薬の降圧3成分による配合剤。これまでのテルミサルタン製剤(ミカルディス錠、ミコンビ配合錠、ミカムロ配合錠)と同様、ベーリンガーインゲルハイムが製造、アステラスが販売を行い、両社で共同販促を行う。

3剤合剤を製造販売する意義について両社は「従来のARBとCCBの配合剤、ARBと利尿薬の配合剤に比べ高い降圧効果が24時間持続することが期待できる」「服薬アドヒアランスを高めることにより降圧目標値の達成度を改善することが期待される」と説明している。

●「ミカトリオ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】高血圧症
【用法・用量】1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/5mg/12.5mg)を経口投与。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない

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