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ストレスチェック制度

No.4755 (2015年06月13日発行) P.54

圓藤吟史 (大阪市立大学産業医学・都市環境医学教授)

登録日: 2015-06-13

最終更新日: 2016-10-26

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労働者自身のストレスへの気づきを促し,ストレスの原因となる職場環境の改善につなげることで労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)を目的として,心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)制度が設けられ,2015年12月1日から施行される。
事業者(50人以上の事業場は義務)は労働者に対し,医師,保健師などによるストレスチェックを1年ごとに1回以上行う。労働者はストレスチェックを受けないことが選択できる。ストレスチェックの項目は法令で定めるのではなく,「職業性ストレス簡易調査票」を標準として,そのうちの「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」および「周囲のサポート」の3領域の項目からなる簡略化した調査票を例として示される予定である。
高ストレスの者に対しては面接指導の申し出を勧奨し,医師による面接指導においては当該労働者の勤務の状況,ストレス要因,心理的な負担の状況,周囲のサポートの状況,心身の状況を確認した上で,ストレス対処技術,自覚と自主努力(セルフケア)を保健指導する。
面接指導の結果,メンタルヘルスに不調の恐れがあると判断されれば,専門機関受診を勧奨し,紹介する(二次予防)。
「性格検査」や「適性検査」を目的とした項目は不適当とされ,「希死念慮」や「自傷行為」に関する項目は,企業における実施体制や実施後のフォローアップ体制が不十分な場合には検査項目として含めるべきではない。

【参考】

▼ 厚生労働省労働基準局安全衛生部:労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会報告書.2014.12.17.

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