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「高額医薬品による医療費削減効果推計を」 [医療保険部会]

No.4806 (2016年06月04日発行) P.13

登録日: 2016-06-04

最終更新日: 2016-12-06

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社会保障審議会医療保険部会(遠藤久夫部会長)は5月26日、医療費の動向を巡る議論を行い、昨年薬価収載されたC型肝炎治療薬「ソバルディ」「ハーボニー」による将来的な医療費削減効果の検討が必要、との意見で一致した。
厚生労働省の資料では、15年4~11月の調剤医療費は対前年で8.2%と高い伸びを示している。特に11月の抗ウイルス薬の調剤医療費は348億円増加し、厚労省は1カ月の国民医療費(約3兆4000億円)を約1%押し上げる効果があると分析。両剤の使用患者が急増していることを要因に挙げた。
横尾俊彦委員(佐賀県多久市長)は同市の保険財政について、「医療費の伸びにより昨年秋ごろから激しくなっている。今年度は補正予算を組んで対応していかなくてはいけない状況」と説明。
一方、松原謙二委員(日医)は「当面医療費は増加するが(両剤は)画期的な治療薬。将来的に見れば医療費が削減され、(財政にとって)必ずプラスになる」と訴えた。これを受け、白川修二委員(健保連)は両剤の有用性を認めた上で、「支払側としては『当面』が1、2年なのか10年なのかを知りたい」とし、将来的な医療費削減効果の推計の検討が必要と指摘。多くの委員が白川委員の意見に賛同した。 


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