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日薬連「小さいところから適応を拡大するのも企業戦略」【中医協薬価専門部会】

No.4822 (2016年09月24日発行) P.11

登録日: 2016-09-23

最終更新日: 2016-10-17

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は14日、高額薬剤への対応をテーマに製薬業界からヒアリングを行った。高額な薬価自体を問題視する同部会委員に製薬業界は強く反発。「イノベーションが適切に評価されなければ製薬企業の存続は危うくなる」と訴えた。

ヒアリングは日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhR MA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)の各団体から実施。このうち日薬連の多田正世会長は、革新的新薬について「イノベーションの適切な評価として高額になることも当然あり得る」とし、薬価が問題ではないとの見方を示した。

また、がん免疫療法薬「オプジーボ」のケースで問題視されている、希少疾病で薬価収載され、効能・効果の追加による大幅な市場規模拡大を巡っては、「オプジーボが該当するかわからないが、小さいところから徐々に適応を拡大していくことも企業戦略の1つ」として理解を求めた。これに対し、中川俊男委員(日本医師会)は「薬価こそ最大の論点」と指摘した上で、「企業戦略で公的医療保険制度が翻弄されてはたまらない」と業界の認識を強く批判した。

このほか“期中改定”導入については、「到底容認できない」(多田氏)などとして3団体とも揃って強く反対した。

多田氏は「革新的医薬品を届けることが使命。良い薬があってこそ皆保険制度が維持される」と主張。高額薬剤がもたらす医療保険財政への影響についての捉え方は、中医協委員と製薬業界の間で大きな溝があるようだ。(T)

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