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「オプジーボ」の適応症に根治切除不能 [新薬FRONTLINE]

No.4819 (2016年09月03日発行) P.23

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2016-10-20

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小野薬品工業:「オプジーボ」の適応症に根治切除不能/転移性の腎細胞がん追加

小野薬品工業は8月26日、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ点滴静注」(一般名=ニボルマブ)について「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」の効能追加承認を取得したと発表した。オプジーボの適応症は「根治切除不能な悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を含め、これで3つとなった。

オプジーボについては「ホジキンリンパ腫および頭頸部がん」の効能追加も現在承認申請中。さらに胃がん、食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、卵巣がん、悪性胸膜中皮腫、胆道がんなどを対象とした臨床試験も実施されている(海外では、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、膠芽腫、小細胞肺がん、尿路上皮がん、肝細胞がん、食道がん、大腸がん、トリプルネガティブ乳がん、胃がん、膵がん、血液がんなどを対象とした臨床試験を実施中)。
一方、オプジーボについては、がん免疫療法を併用した例で重篤な副作用を発現した症例が6例、死亡に至った例も1例報告されており(今年7月1日時点)、小野薬品は「本剤の適応外使用、がん免疫療法との併用については、有効性・安全性は確立していない」として、適正使用を呼びかけている。オプジーボは、緊急時に十分対応できる医療施設で、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師の下で、適切な症例についてのみ使用することが求められている。

●「オプジーボ」に新たに追加された効能・効果と用法・用量
効能・効果:根治切除不能または転移性の腎細胞がん
用法・用量:1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注


田辺三菱製薬:DPP–4阻害薬「テネリア」とSGLT2阻害薬「カナグル」の配合剤を申請

田辺三菱製薬は8月23日、選択的DPP-4阻害薬「テネリア錠」(一般名=テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)とSGLT2阻害薬「カナグル錠」(一般名=カナグリフロジン水和物)の配合剤について、2型糖尿病を適応症として製造販売承認申請を行ったと発表した。

テネリア錠とカナグル錠はいずれも田辺三菱が創製した薬剤。テネリア錠またはカナグル錠の効果不十分例を対象とした臨床試験で、有効性、安全性と良好な忍容性が確認されたことから承認申請に至った。同社は「テネリア錠、カナグル錠ともに1日1回服用する経口剤。2剤を配合し1剤にすることで、より患者の利便性を高め、服薬アドヒアランス向上による良好な血糖コントロールが期待される」としている。
DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤は田辺三菱以外でも開発が進められており、MSDとアステラス製薬は2015年4月にDPP-4阻害薬 「ジャヌビア錠」とSGLT2阻害薬「スーグラ錠」の配合剤の共同開発・販売について基本合意したと発表。武田薬品工業とサノフィは2014年6月、DPP-4阻害薬「ネシーナ」とSGLT2阻害薬「アプルウェイ」の配合剤について共同開発の検討を開始したことを公表している。

●「テネリア錠」「カナグル錠」の用法・用量
【テネリア錠】20mgを1日1回経口投与。効果不十分な場合は経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量 
【カナグル錠】100mgを1日1回朝食前または朝食後に経口投与

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