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コロナ第四波の現状と課題─認知症の陽性者をどう見守るか[長尾和宏の町医者で行こう!!(121)]

No.5064 (2021年05月15日発行) P.54

長尾和宏 (長尾クリニック院長)

登録日: 2021-05-10

最終更新日: 2021-05-10

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保健所と医師会の連携

筆者の診療所がある兵庫県尼崎市は緊急事態宣言のど真ん中に位置している。新型コロナウイルス感染症の第四波においては変異株の流入のため感染拡大が急速で、一気に医療崩壊に至った。今回、5月6日現在の当院におけるコロナ対応の現状と課題を報告する。

入院もホテル療養もできない自宅療養者が大阪府に1万4000人、兵庫県には2000~3000人いるという。連日、医療の手が入らないまま亡くなる「放置死」が報じられている。尼崎市医師会は昨年末、自宅療養者への往診医を募り約30人が手を挙げた。在宅主治医がいない中等症Ⅱ以上の自宅療養者の情報は、保健所→医師会の担当理事→コロナ在宅医のメーリングリスト、と流れてくる。手挙げをした登録医がすぐに往診し酸素濃縮器の設置とステロイドなどを処方するシステムが稼働している。自宅療養中の死亡を防ぐためには保健所と医師会の連携で、取り残されている感染者への介入が重要である。コロナ在宅はやはり往診に慣れている在宅医が中心になっていくのだろう。

一方、筆者の診療所では例年どおり大型連休中も通常外来を開いた。それと並行して発熱外来も開いたところ連日、30~40人の発熱患者が押し寄せ、毎日数人~10人程度の陽性者が出ている。そのうち中等症Ⅱ以上の患者には酸素濃縮器を設置しデキサメタゾン6mg×10日とイベルメクチンを処方している。酸素飽和度が60~80%の重症者であってもすぐには入院できないので、在宅で亡くならないようにステロイドパルス療法なども行っている。

昨年来、約3000人の発熱患者を診察し、約400人のコロナ患者の診断と初期治療、約80人の中等症以上の自宅待機者への訪問診療やオンライン診療、ドライブスルー診療、そして重症化の早期発見と保健所への報告などを行ってきた。幸いなことに現在までコロナの看取りはゼロである。

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