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町医者がコロナにできること─10カ月の振り返りから次に備える[長尾和宏の町医者で行こう!!(118)]

No.5052 (2021年02月20日発行) P.48

登録日: 2021-02-15

最終更新日: 2021-02-15

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「自宅放置者」のケア

二度目の緊急事態宣言が発出された頃から、感染者数は明らかに減少傾向に転じた。少しホッとした今、新型コロナ対応において当院における診療を振りかえり、町医者にできることを考えてみたい。

昨年4月の第一波から屋外のテントで発熱・風邪症状を訴える患者を1000人以上、診療してきた。9月まではPCR検査を保健所に依頼していたが、10月からは唾液によるPCR検査が行政検査として可能となった。もちろん抗原検査も適宜、行ってきた。4月から初診時に胸部CTでコロナ肺炎を確認し、酸素飽和度の低下や炎症反応の強い人には、屋外でデキサメタゾン注射を行ってきた。

第三波では、かかりつけの患者だけでなく保健所から紹介される患者が急増し、テント前に行列ができてしまった。年末から感染者数が多すぎて入院もホテル療養もできないため「自宅待機」を余儀なくされる患者が急増した。自宅待機中に高熱や呼吸苦や不安を訴える人は保健所にいくら電話しても通じず、通じたら皆、当院に電話するように言われたという。一時期は電話が鳴りっぱなしであった。発熱外来に加えて初期治療、そして自宅待機者の管理まで行うことになり、オンラインやドライブスルー診療だけでなく、携帯番号を教えて24時間対応を行ってきた。実質的に放置されている自宅待機者の未治療死を防ぎたい。ただそれだけで突っ走ってきた。26年前の阪神・淡路大震災で「官に期待する前に自分がまず動く」と感じたが、それを実践してきた10カ月間であった。

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