株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

抗凝固薬、2つの効能追加でワークショップ [新薬FRONTLINE]

No.4728 (2014年12月06日発行) P.78

登録日: 2016-03-08

最終更新日: 2017-03-16

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第一三共:抗凝固薬「リクシアナ」、2つの効能追加でワークショップ

第一三共は11月26日、新規経口抗凝固薬(NOAC)「リクシアナ錠15mg、同錠30mg」(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)の効能追加承認を9月に取得したのを受け、メディア向けのワークショップを開いた。

今回の効能追加は、適応症として新たに「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」と「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」を認めたもの。リクシアナはこれまで「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適応で販売されていたが、第一三共は、国際共同第Ⅲ相試験(ENGAGE AF–TIMI 48、Hokusai–VTE)の結果に基づき、効能追加の承認申請を行った。

ワークショップでは、非弁膜症性心房細動患者を対象としたENGAGE AF–TIMI 48試験について心臓血管研究所所長の山下武志氏(写真)が解説。ワルファリンと比べ有効性で非劣性、安全性で優越性が示された同試験の結果を紹介しながら、リクシアナについて「大出血、飲みやすさで他のNOACとの違いが大きい。今後はテーラーメイドの治療が期待できる」と述べた。

リクシアナは効能追加と併せて、60mgの剤形追加も承認された(12月8日発売予定)。

●「リクシアナ錠」の新効能に関する用法・用量通常、成人には以下の用量を1日1回経口投与
体重60kg以下:30mg 体重60kg超:60mg ※腎機能、併用薬に応じて1日1回30mgに減量

ヤンセンファーマ:HIV–1感染症治療薬「コムプレラ配合錠」、12月中に発売

ヤンセンファーマは11月25日、同月18日付で製造販売承認を取得したHIV–1(ヒト免疫不全ウイルス1型)感染症治療薬「コムプレラ配合錠」(一般名=リルピビリン塩酸塩/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン配合錠)についてメディアセミナーを開いた。

コムプレラは、米ギリアド・サイエンシズが開発した3成分を含有する配合錠。米国をはじめ現在60カ国以上の国・地域で承認されており、日本ではヤンセンがHIV–1感染症に対する治療薬として承認申請を行っていた。3成分のうちテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩とエムトリシタビンの配合錠は、既に「ツルハダ配合錠」として鳥居薬品が販売している。

コムプレラは、抗HIV治療ガイドライン(2014年3月版)で提唱されている抗レトロウイルス療法を「1日1回1錠」の服用で行える点が最大の特徴。25日のセミナーで講演した横浜市立市民病院感染症内科長の立川夏夫氏は、治療成功には95%以上の高い内服率が重要と指摘し、「1日1回かつ薬剤数が少ないことは治療成功に有利」とコムプレラに期待感を示した。

ヤンセンでは現在、販売開始に向け準備を進めており、「12月中に発売予定」としている。

●「コムプレラ配合錠」の用法・用量
通常、成人には1回1錠(リルピビリンとして25mg、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mg、エムトリシタビンとして200mgを含有)を1日1回食事中または食直後に経口投与

関連物件情報

もっと見る

page top