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去勢抵抗性前立腺癌治療薬発売 [新薬FRONTLINE]

No.4715 (2014年09月06日発行) P.18

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

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ヤンセンファーマ:去勢抵抗性前立腺癌治療薬「ザイティガ錠」発売

ヤンセンファーマは2日、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)治療薬「ザイティガ錠250mg」(一般名=アビラテロン酢酸エステル)の販売を開始した。アンドロゲンを除去する内分泌療法を行った後、去勢状態で病勢の進行や再発が認められるCRPCに対する新規治療薬としては、アステラス製薬が5月に「イクスタンジカプセル40mg」(一般名=エンザルタミド)を発売。ザイティガ錠と同時に9月2日に薬価収載されたサノフィの「ジェブタナ点滴静注60mg」(一般名=カバジタキセル)も9月中に発売される予定で、新規CRPC治療薬が3剤揃うことになる。

ザイティガ錠は、アンドロゲン生合成に必要な酵素である「CYP17」を選択的に阻害することで抗腫瘍効果を示す薬剤。ヤンセンはアストラゼネカと共同で医療機関への情報提供活動を展開していく方針だ。

両社が8月27日に開いたメディアセミナーで講演した近畿大泌尿器科教授の植村天受氏(写真)は、ザイティガ錠とイクスタンジカプセルの使い分けについて「薬理作用は違うが、両薬剤とも効果はかなり期待できる。現時点では、どの段階の患者であっても両方ともアベーラブル」との見解を示した。

●「ザイティガ錠」の効能・効果、用法・用量
[効能・効果]去勢抵抗性前立腺癌 [用法・用量]プレドニゾロンとの併用において、通常、成人には1日1回1000mgを空腹時に経口投与

ブリストル・マイヤーズ:初のIFNフリーC型肝炎治療薬、世界に先駆け発売

ブリストル・マイヤーズは3日、7月4日に世界に先駆けて日本で製造販売承認を取得し、9月2日に薬価収載された2種類のC型肝炎治療薬「ダクルインザ錠60mg」(一般名=ダクラタスビル塩酸塩)と「スンベプラカプセル100mg」(一般名=アスナプレビル)の販売を開始した。両剤の併用療法は、インターフェロン(IFN)を必要とせず経口薬のみでC型肝炎を治療する「IFNフリー療法」として注目されており、日本肝臓学会も近く、この併用療法を盛り込んだ新しいガイドラインを公表する予定(10頁参照)。

ダクルインザ・スンベプラ併用療法は、セログループ1(ジェノタイプ1)で「IFNを含む治療に不適格の未治療あるいは不耐容の患者」または「IFNを含む治療法で無効となった患者」が対象。投与期間はいずれも24週間。

日本のジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者を対象に両剤を24週間投与した第Ⅲ相試験では、SVR24(投与終了から24週後のウイルス学的著効)の達成率は84.7%。特に、65歳以上のIFN治療不適格の未治療/不耐容患者では91.9%がSVR24を達成したとされている。

ブリストルは現在、両剤についてC型慢性肝炎のIFNを含む治療法に適格の未治療患者および前治療再燃患者に対する適応追加申請を行っている。

●「ダクルインザ錠」「スンベプラカプセル」の用法・用量

ダクルインザ錠:通常、成人には 1 回60mgを 1 日 1 回経口投与。投与期間は24週間
スンベプラカプセル:通常、成人には1 回100mgを 1 日 2 回経口投与。投与期間は24週間

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