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多剤耐性肺結核治療薬「デルティバ」、近く発売 [新薬FRONTLINE]

No.4710 (2014年08月02日発行) P.16

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-03

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大塚製薬:多剤耐性肺結核治療薬「デルティバ」、近く発売

大塚製薬は7月4日、同日付で結核化学療法剤「デルティバ錠50mg」(一般名=デラマニド)の承認を取得したと発表した。近く発売するとしている。

デルティバの承認は今年4月の欧州に次いで2番目。日本では約40年ぶりの抗結核薬の新薬で、唯一の多剤耐性肺結核の薬剤となる。

日本の結核罹患率は戦後低下してきたものの、人口10万人当たり17人(2012年)と先進諸国の中では最も高い水準にある。特に日本における多剤耐性結核の治癒率は40〜70%と低く、死に至ることも少なくないため、新しい治療法が望まれていた。大塚製薬によると、世界9カ国で実施された臨床試験では、多剤耐性結核の標準治療にデルティバを6カ月以上併用した場合、多剤耐性結核、超多剤耐性結核(イソニアジド、リファンピシンに加え、カナマイシン等の注射剤やフルオロキノロン剤に対しても耐性を示す難治性結核)の両方に対して長期的な治療効果の改善が示されたという。

なお、デルティバの耐性菌出現を防止するため、同剤の使用を希望する場合は「デルティバ適格性確認システム」に登録することが必要となる。

●「デルティバ錠50mg」の効能・効果、用法・用量
[効能・効果]〈適応菌種〉本剤に感性の結核菌、〈適応症〉多剤耐性肺結核 [用法・用量]通常、1回100mgを1日2回朝、夕に食後経口投与

レオ ファーマ:尋常性乾癬治療のための配合外用剤「ドボベット」の承認取得

レオ ファーマは7月4日、同日付で尋常性乾癬治療剤「ドボベット軟膏」(一般名=カルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)の承認を取得したと発表した。薬価収載後に発売する。

ドボベット軟膏は、1日1回の塗布で乾癬の皮膚症状を速やかに改善する国内初の活性型ビタミンD3とステロイドの配合外用剤。レオ ファーマの親会社であるLEO Pharma A/Sが開発したもので、2001年に尋常性乾癬に対する外用剤としてデンマークで上市されて以来、97カ国で承認、尋常性乾癬治療の第一選択薬の1つとして世界的に汎用されている。

レオ ファーマは協和発酵キリンとドボベット軟膏の販売およびマーケティング提携に関する契約を締結。レオ ファーマから製品の供給を受け、協和発酵キリンが販売とMRによる情報提供活動を担当する。

乾癬は、慢性かつ難治性の皮膚疾患で、日本には推計で約10〜20万人の患者がいるとされている。外用療法のほかに光線療法、内服療法があり、近年では生物学的製剤による治療法が重症例に提供されているが、患者の大半を占める軽症から中等症に対しては活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用剤による治療が主として行われている。

●「ドボベット軟膏」の効能・効果、用法・用量
[効能・効果]尋常性乾癬 [用法・用量]通常、1日1回、患部に適量塗布(1週間に90gを超える使用は行わない)

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