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【識者の眼】「診療報酬・介護報酬上のかかりつけ医の評価(3)18年度改定」鈴木邦彦

No.5019 (2020年07月04日発行) P.66

鈴木邦彦 (医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)

登録日: 2020-06-26

最終更新日: 2020-06-26

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2018年度診療報酬改定では、入院中などの減薬の取り組みの評価として薬剤適正使用連携加算が新設されたほか、介護保険施設である介護老人保健施設において、初めて、かかりつけ医との連携の評価であるかかりつけ医連携薬剤調整加算が新設されました。さらに、質の高い在宅医療を確保するために、複数の医療機関の連携による24時間体制の確保や、2カ所目の医療機関による訪問診療、在支診以外の医療機関による医学管理の評価など、現場の実態に合わせた対応が行われました。

2018年度は6年に一度の同時改定であるとともに、2025年を目指した改革のピークとも言われたため、訪問診療への主治医とケアマネジャーの連携強化、リハビリテーションにおける医療介護連携の推進など両報酬をまたぐ連携が大きく進む改定となりました。

著しい状態の悪化を伴う末期の悪性腫瘍の利用者については、主治医の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の招集を不要とすることによりケアマネジメントプロセスを簡素化しましたが、これは本来慢性期の対応であるケアプランを急性期医療のペースに合わせていただいたものです。元々は、見直した上でも患者の状態の変化に伴っていちいちケアプランを変更することになっていましたが、これでも不十分としてさらに見直しを求めた経緯がありました。

2013年8月8日の日医・四病協合同提言における地域急性期病院については、遂に2018年度改定において、自宅などからの入院患者や緊急患者の受け入れおよび在宅医療の提供などの地域包括ケアに関する実績部分を評価した、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1および3として実を結ぶことになりました。また、同改定における有床診療所に対する地域包括ケアモデルの設定は、同じく日医・四病協合同提言以降訴えて来た、地域包括ケアを支援する有床診療所に対応するものです。有床診療所に対する地域包括ケアモデルの具体例として、介護報酬における短期入所療養介護や看護小規模多機能型居宅介護、介護医療院の組み合わせが行いやすくなるように様々な要件緩和が行われました。

鈴木邦彦(医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)[かかりつけ医⑤]

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