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COVID-19に対する医療機関の機能分化を─かかりつけ医の役割の提案[長尾和宏の町医者で行こう!!(109)]

No.5012 (2020年05月16日発行) P.54

長尾和宏 (長尾クリニック院長)

登録日: 2020-05-11

最終更新日: 2020-05-08

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急がれる精度管理

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についてマスコミは連日、市民の不安を煽っている。その結果、PCR検査を求める市民が依然として多い。緊急事態宣言が緩和された後もPCR需要はしばらく続くだろう。各地でPCRセンターが続々と開設されている。医師会が主導して開業医や地域によっては歯科医も加わり検体採取に協力している。病院の負担を減らすことも「かかりつけ医」の役割であろう。長期戦が予想される中、いい動きである。

しかし検体採取には熟練を要求する。検体採取の手技が悪ければ偽陰性を増やしてしまう。検体採取の手技によるバラツキが一体どれくらいあるのか、精度管理や実態調査が急がれる。一方、検体を血液や唾液とする新しい抗原検査キットが開発された。特に唾液はウイルス量が鼻汁の何倍も多く簡便なので期待が高い。近い将来、PCRとこうした抗原検出キットが併用されるのだろう。またCOVID-19に対するIgG抗体の検査キットもたくさん開発されているので早晩、大規模な疫学調査の結果が発表されるのだろう。しかしどこまで新型コロナウイルスの感染を反映しているのか、各キット別の信頼に足る精度管理が求められる。精度管理が不十分な抗原・抗体検査は臨床現場を混乱させる。公的機関によるお墨付きと保険適用が待たれる。また、各種簡易キットとPCR検査の立ち位置をはっきりさせないと市民は混乱するだろう。

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