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塩野義製薬:ゾフルーザ巡る学会提言「淡々と受け止め」─手代木社長[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4985 (2019年11月09日発行) P.14

登録日: 2019-11-07

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塩野義製薬の手代木功社長(写真)は10月23日に開いたメディア向けセミナーで、日本感染症学会が同社の新規抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」(一般名:バロキサビル マルボキシル)の小児への慎重投与を提言していることについて「淡々と受け止めた上で、情報提供を継続していきたい」と述べた。

感染症学会の提言は、ゾフルーザの12歳未満小児への使用について「低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する」としたもの(10月24日に学会HPで公表)。

セミナーで手代木社長は、かつてタミフル耐性のH1N1ウイルスが流行した時も臨床医の間で「H1N1がずっとタミフル耐性になってしまうのでは」との懸念が広がったが、実際にはそうはならなかったことを例に挙げ、ゾフルーザのデータも長期間積み上げる必要があると強調。今年度のゾフルーザの売上目標については「特に成人を中心に適切にお使いいただくことで市場シェア40%確保を目指している」とした。

ゾフルーザの小児への使用については日本小児科学会も「積極的な投与を推奨しない」との見解をまとめていることから、塩野義製薬は10月28日にあらためてコメントを発表。「(両学会で)リスクとベネフィットについて議論されているが、現時点では結論に至るだけの十分なエビデンスが不足している」「今後も複数シーズンにわたって(ゾフルーザへの感受性が低下した)PA/I38アミノ酸変異株に関する継続したデータの取得が必要」などとしている。

塩野義製薬の主な感染症治療薬
セフェム系抗生物質「フロモックス」(1997年)、カルバペネム系抗生物質「フィニバックス」(2005年)、HIV感染症治療薬「デビケイ」(2014年)、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」(2018年)

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