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■NEWS 新薬創出等加算、業界要望に厳しい意見相次ぐ─薬価専門部会

No.4983 (2019年10月26日発行) P.68

登録日: 2019-10-15

最終更新日: 2019-10-15

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中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は109日、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬創出等加算)」と後発医薬品の薬価のあり方について、議論した。新薬創出等加算では、業界団体が求めている企業指標の廃止などに対して、改めて厳しい意見が示された。

新薬創出等加算の対象品目は、薬価改定の際に実勢価格に基づく薬価引き下げ分が加算として改定薬価に上乗せされるため、特許期間中は薬価の引き下げが一定程度猶予される。18年度改定時には、革新性と有用性に着目した対象品目の絞り込みと、革新的新薬の開発実績などに応じて企業をグルーピングし、加算率に差を設ける見直しが行われた。見直し後、初となった199月の薬価改定で、改定前薬価が維持された品目の割合は、企業区分I(加算係数1.0)が82%、区分II(同0.9)が27%、区分Ⅲ(同0.8)が0%となっている。

7月の部会のヒアリングで関係業界は、▶対象品目に先駆け審査指定品目や特定の疾病(小児疾患、薬剤耐性菌による感染症など)に用いられる医薬品、2番手以降の新規作用機序医薬品で革新性・有用性の基準に該当する医薬品を追加、▶企業の規模に左右され、相対評価であるために予見性に欠ける企業指標は廃止―などの実施を求めている。

■先駆け審査指定品目の対象追加には容認の声も

このうち先駆け審査指定品目の対象品目への追加に関しては、支払・診療側委員とも容認する意向を示したが、そのほかの要望項目には厳しい意見が相次いだ。企業指標の廃止について、松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「(関係業界が主張する)不公平感を解消する具体的な提案がない限りは維持するべきだ」と代替案の提示を要請。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「相対評価をやめて絶対評価にすることには検討の余地があるのではないか」などと指摘した。

■新規後発品の薬価水準の引き下げ、支払・診療側とも慎重意見

後発医薬品では、新規後発医薬品の薬価設定のあり方と、既収載後発医薬品の価格帯の集約をテーマに意見交換した。新規後発品の薬価は現在、先発品の薬価に0.5(銘柄数が10を超える内用薬は0.4)を乗じた額に設定されている。

部会では、19年9月の薬価調査における内用薬の後発品の乖離率が、薬価が先発品の0.5掛けの品目で▲19.5%、0.4掛けの品目で▲37.7%だったことが明らかになったが、新規後発品の薬価水準引き下げには、安定供給への懸念などから支払・診療側とも慎重姿勢を表明。松本委員は、「品目数の多さが使用促進の妨げになっている」とし、後発品メーカーの統合・再編を促す必要性を主張した。

一方、既収載後発品の価格帯の議論では、市場実勢価格が低い品目の薬価が価格帯の設定によって引き上げられる矛盾が生じている点を多くの委員が問題視、「薬価が上がるものはさらに加重平均して改定前よりも価格が上がらない措置を検討するべき」(幸野委員)、「改定後薬価が改定前を大幅に上回る場合は別の価格帯を設定するなど、価格帯を少し増やす方向での検討があってもいいのではないか」(松本委員)といった意見が出た。

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